馬鹿
馬鹿な話をします。
それは古代の秦の時代のお話、
初代皇帝亡き後に権力を握っていた宦官の趙高(チョコウ)は自分の権力を試す為に、
二代皇帝に”鹿”を「これは馬でございます」と言って献上した。
もし自分の権力を皆が恐れていたならば、
誰も自分を否定できないだろうと考えたのである。
もしそこで自分を否定して「これは鹿でございます」などと言おうものなら、
実際にその人間を処刑するつもりでいた。
それならそれで自分への恐怖をより強固なものとすることができる。
いずれにしても全ては皇帝が否定することを大前提としての考えである。
「何を言う、これは鹿ではないか」と。
趙高「本日は最高の馬を陛下に献上したく連れてまいりました。こちらの馬でございます」
皇帝「うむ、これは立派な馬だのう。さっそく馬小屋に連れて行け」
趙高「かしこまりま…へ? え、、、は?」
皇帝「「は?」ではない、馬小屋へ連れて行けと言っておるのだ。それにしても本当に立派な馬だのう」
確かにそれは立派ではあった。
体は大きく、色も他のものと比べ黒っぽく、重厚さを際立たせていた。
それでもあくまでそれは鹿としての話だ。馬じゃない。って言うか角生えてる。
趙高「あ、いや、よく御覧下さいませ陛下、この馬!を」
皇帝は趙高に促され鹿の傍らへ来ると趙高の言うとおりに鹿をよく見た。
皇帝「むむむ? よく見れば… 見れば見るほどに本当に立派な馬だのう。見ろ趙高、ワシによくなついておる」
皇帝は満面の笑みで撫で回している。 鹿の角をである。
趙高は秦の未来に不安を覚えつつも、すがるような思いで他の家臣たちに言った。
趙高「お前達はどう思うのだ、この立派な馬!!を見て!」
家臣「いやぁ、流石は趙高どの、真に立派な馬でございますなぁ」
家臣たちは言いながらも決して趙高と目を合わせようとしない。
長いものには巻かれる大人の瞳である。「大人はなんて汚いんだ!」と趙高は思った。
どうしたものか。
ここでこの鹿を馬だと認めてしまったら、
皆は自分ではなく皇帝の権力を恐れて何も言えなかったことになってしまう。
しかしここで「皇帝陛下、これは馬ではなく鹿でございます!」などと言った日には、
自分は皇帝を騙したことになってしまう。そんなことになったら自分が処刑されかねない。
趙高は追い詰められていた。どうしたものか。
皇帝「趙高よ、先程から一体どうしたと言うのだ。 この馬に何かあるのか?」
趙高「・・・皇帝陛下、これは、、」
皇帝「これは?」
趙高「これは・・・・」
皇帝「これは?」
趙高「本当に立派な馬でございましょう?」
この夏、趙高は少しだけ大人の階段を上った気がした。
これは後日談だが、
その後、その鹿は数々のレースで圧倒的な勝利を収め、無敗で三冠達成という快挙を成し遂げた。 誰もが知る無敵の競走馬『ディープインパクト』である。
皆さん、これからどこかでディープインパクトを見かけるようなことがあったら、その頭部に注目してみて欲しい。
馬だと信じているときには決して見えなかった立派な角がそこにあるはずだから。
皆さんが馬だと信じているそれは、 本当に馬ですか?
・・・以上の歴史的事柄は『馬鹿』の語源になったと言われている。
それは古代の秦の時代のお話、
初代皇帝亡き後に権力を握っていた宦官の趙高(チョコウ)は自分の権力を試す為に、
二代皇帝に”鹿”を「これは馬でございます」と言って献上した。
もし自分の権力を皆が恐れていたならば、
誰も自分を否定できないだろうと考えたのである。
もしそこで自分を否定して「これは鹿でございます」などと言おうものなら、
実際にその人間を処刑するつもりでいた。
それならそれで自分への恐怖をより強固なものとすることができる。
いずれにしても全ては皇帝が否定することを大前提としての考えである。
「何を言う、これは鹿ではないか」と。
趙高「本日は最高の馬を陛下に献上したく連れてまいりました。こちらの馬でございます」
皇帝「うむ、これは立派な馬だのう。さっそく馬小屋に連れて行け」
趙高「かしこまりま…へ? え、、、は?」
皇帝「「は?」ではない、馬小屋へ連れて行けと言っておるのだ。それにしても本当に立派な馬だのう」
確かにそれは立派ではあった。
体は大きく、色も他のものと比べ黒っぽく、重厚さを際立たせていた。
それでもあくまでそれは鹿としての話だ。馬じゃない。って言うか角生えてる。
趙高「あ、いや、よく御覧下さいませ陛下、この馬!を」
皇帝は趙高に促され鹿の傍らへ来ると趙高の言うとおりに鹿をよく見た。
皇帝「むむむ? よく見れば… 見れば見るほどに本当に立派な馬だのう。見ろ趙高、ワシによくなついておる」
皇帝は満面の笑みで撫で回している。 鹿の角をである。
趙高は秦の未来に不安を覚えつつも、すがるような思いで他の家臣たちに言った。
趙高「お前達はどう思うのだ、この立派な馬!!を見て!」
家臣「いやぁ、流石は趙高どの、真に立派な馬でございますなぁ」
家臣たちは言いながらも決して趙高と目を合わせようとしない。
長いものには巻かれる大人の瞳である。「大人はなんて汚いんだ!」と趙高は思った。
どうしたものか。
ここでこの鹿を馬だと認めてしまったら、
皆は自分ではなく皇帝の権力を恐れて何も言えなかったことになってしまう。
しかしここで「皇帝陛下、これは馬ではなく鹿でございます!」などと言った日には、
自分は皇帝を騙したことになってしまう。そんなことになったら自分が処刑されかねない。
趙高は追い詰められていた。どうしたものか。
皇帝「趙高よ、先程から一体どうしたと言うのだ。 この馬に何かあるのか?」
趙高「・・・皇帝陛下、これは、、」
皇帝「これは?」
趙高「これは・・・・」
皇帝「これは?」
趙高「本当に立派な馬でございましょう?」
この夏、趙高は少しだけ大人の階段を上った気がした。
これは後日談だが、
その後、その鹿は数々のレースで圧倒的な勝利を収め、無敗で三冠達成という快挙を成し遂げた。 誰もが知る無敵の競走馬『ディープインパクト』である。
皆さん、これからどこかでディープインパクトを見かけるようなことがあったら、その頭部に注目してみて欲しい。
馬だと信じているときには決して見えなかった立派な角がそこにあるはずだから。
皆さんが馬だと信じているそれは、 本当に馬ですか?
・・・以上の歴史的事柄は『馬鹿』の語源になったと言われている。
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